1940年代、US NAVYの伝説なデニムパンツで通称「巻きパンツ」と呼ばれる甲板作業用トラウザースがベース。
イタリア海軍にも有名な脇縫い目なしパンツもあるが、なぜ海軍は脇縫い目にこだわるのか関係者存命中に聞いてみたい。ウエストはドローコードで、そもそも1サイズのオーバーパンツのようなものであれば生地幅を最大有効活用のメリットはある気がするが、海軍は基本タイトフィッティング好きのため、この脇縫い目なしのメリットがどこにあるのか全くわからない。有効ならARMYにも採用品番があっても良いと思う。今回はそんな巻きパンツを私の1930年代製 オーバーオールの中古感をターゲットとした洗い加工を施し、軽くペンキを飛ばしてみた。このペンキもアート度を上げるために、同じ白でも数段階に分け、ひび割れ材の濃度を変え、数度に分けて飛ばし&洗い加工を入れています。するとその表面に時間の経過感が生まれています。
・テキスタイル
アメリカンヴィンテージデニムは基本的に2段階の厚みがある。501を筆頭とすつ13オンス周辺の5ポケット用と、10オンス周辺のライトオンスデニム。今回のMAGGIOは、1940年代〜の米軍ライトオンスデニムを忠実に再現したシリーズで、更に荒々しさを出すため、リスキーではあるが生機から製品加工を行っています。オンスが軽くなると糸も当然細くなり生地としての迫力が半減しがち。更にサンフォライズド加工を入れてしまうとおとなしいチープな表情になってしまう。そんな生地でも100年着用し時間が経過すればそれなりにヴィンテージ感は出ますが、洗い装置を使っての加工であれば、この使い方がマストであると考えます。縦糸のムラ、ネップの入り具合、総合的な肉厚、どの側面からも米軍ヴィンテージ再現デニムとしては最も高い完成度です。